それを知らぬは幸福である

 そこは断崖にある広い洞穴だった。眼下には広大な景色が広がり、崖の淵から下を覗き込んでみると、あまりの高さに足が竦む。俺たちはある目的があり、数年前からここに住んでいるという幽霊族の元を訪れた。
 先頭に立つ山犬が洞穴の奥に向けて声をかける。
「おうい。今日も暇してるか」
 声が薄暗い洞穴にわんわんと響く。
 少しして、カランコロンという音と共に初夏の日差しの下へ現れたのは、かの有名な幽霊族の男である。
「おぬしまた来たのか。して、その方たちはご友人かな?」
 半分白髪に覆われたその顔を見る。穏やかな顔付きをしているが、その目の奥には油断ならない気配を感じた。
「ああ、幽霊族の生き残りに一目会ってみたいってしつこく言うもんで、連れて来ちまった」
「そうかそうか。出せるものは何も無いが、ゆっくりしていきなされ」
 幽霊族は俺たちを洞穴の奥へと案内した。その後ろ姿を上から下まで観察する。俺は隣を歩く山犬に耳打ちをした。
「おい、思ってたのと違うぞ。もっとマヌケな感じかと。……あの話、ウソなんじゃないか?」
 他の二人も俺の言葉に頷く。
「しっ! 静かに、聞こえちまう」
「好きな場所に掛けるとよい。いやあ、じめじめした所で申し訳ない」
 その言葉通り、洞穴は湿度が高く岩肌がわずかに湿っていた。幽霊族がどかりと胡座をかき、山犬が隣に陣取る。俺たちはその向かいに座った。
 幽霊族をちらりと盗み見る。裾が捲れて脚が露わになっていた。薄暗い洞穴では青白い肌がやけに目立つ。
 山犬と幽霊族は気安い仲のようで、親しげに話をしていた。俺は手持ち無沙汰で腕を組んだりほどいたりする。他二名の妖怪が咳払いをする。仲間たちの落ち着かない雰囲気を察した山犬は、世間話もそこそこに本題に入った。
「……そんなことより、こないだ言ってた酒だ! 伝手で大量に仕入れてよ」
 山犬は徳利を肩から降ろし地面に置いた。俺たちもそれに倣って酒を差し出した。
「おお、これがくだんの川獺の酒か。でかしたぞ、山犬! いやはや、やはり持つべきものは友じゃのう」
「ちょっと味見してみたんだが、こいつがなかなか美味くてよ。ほれ早速!」
 山犬は幽霊族の手に強引に酒器を持たせ、毛むくじゃらの手で酌をする。
「相変わらずせっかちなやつじゃ。勿体ない、こぼれてしもうたわ」
 幽霊族は酒器の底に滴る雫を吸う。それから中身を一気に飲み干し、腕に伝い落ちた酒を舌で舐め取った。
 俺はその光景に前のめりになる。両隣を見ると、仲間たちも同じように身を乗り出していた。
「これはうまい! さ、おぬしらにも注いでやろう」
 幽霊族が膝立ちでこちらに擦り寄り、前傾姿勢の襟元から薄桃色の乳首が見えた。俺はその光景に釘付けになる。他の面子は突き出した小振りな尻に目を爛々と光せた。
 俺たちは洞穴の暗がりの中で獣のような欲望を滾らせていた。俺たちが良からぬ企みを抱いている事も知らずに、幽霊族は呑気に酒を煽る。
 俺たちの頭の中にはただ一つ。この獲物を酔いつぶし、いたぶるという考えしかなかった。
 
 他を圧倒する力を持ちながら、その気質ゆえ一度懐に入れた相手にはろくすっぽ警戒しない。
 幽霊族は大量の酒を勧められるままに飲み、前後不覚になってしまった。酒精の漂う洞穴には、中身の無くなった徳利がいくつも転がっている。
 幽霊族は夢と現とを行き来し、山犬の胸元にぐったりと身を預けていた。
 山犬の黒い毛皮に覆われた手が薄い胸を揉みしだく。慎ましい乳首を尖った爪でつねられ、幽霊族は悩ましげに眉根に皺を寄せ身を捩った。その顔は仄かに汗ばみ赤く上気している。
「んむ、んんー……?」
「ずいぶんと気持ちよさそうじゃねえか、ええ?」
 俺は幽霊族の淫らな姿に興奮を抑えきれず、自らのちんぽを猿のように扱いた。隣り合わせに座る仲間たちも同様に、熱い息を吐きながら激しくちんぽを扱いている。
 薄暗い洞穴の中は俺たちの荒々しい息遣い、ちんぽを扱く卑猥な音が混じり合い、淫靡な空気に包まれていた。
「おいおい、お前ら、いつまでセンズリこいてんだよ?」
 いつまでも己のちんぽをいじくる俺たちに山犬が呆れて言う。
「ほ、ほんとに大丈夫か? いくらこいつが大人しくても、いたずらしたのがバレたらただじゃすまないだろ」
「今さら怖気づいてんのかよ? 大丈夫だって。これまで十発と言わずハメたがバレてない。この通り、何しても起きないから遠慮なく触れ」
 山犬は片手を胸から離すと、幽霊族の顎を掴み上を向かせ口元を舐めだした。緩んだ歯列を抉じ開け口腔内を舐め回す。幽霊族は虚ろな表情で山犬の舌を受け入れていた。
 その光景を皮切りに、俺たちは一斉に幽霊族に群がり、袖や裾を引っ張って乱暴に衣を剥ぎ取った。
 洞穴の湿気で濡れた白い肌が手や指にしっとりと吸い付く。細い首筋に舌を這わせ、引き締まった横腹を撫で下ろし、薄い尻の肉を鷲掴みにする。
 俺たちは夢中で幽霊族の肌に触れ、そのしなやかな肉体に酔いしれた。
「あんたの言う通りだったな。幽霊族がこんなにちょろい妖怪だとは」
 そう言うと、一番年上の妖怪が脇をねぶりながら同意した。
「ん……ん、やえぇ」
 幽霊族は全身をくすぐられ非難の声を上げる。そのちんぽは少し勃起し、先端から涎を垂らしていた。
 俺は幽霊族のちんぽを掴んで揉んだ。全体を包み込み捏ねると徐々に硬くなり扱きやすくなる。先走りのぬめりを利用し、亀頭を手のひらで覆い擦る。
「あ、あ、あ」
「ははは、ちんぽ弄られて女みたいな声出しちまってらあ。そんなんじゃ女抱く時困るぞ」
「やれ、それは大変じゃ。特訓じゃ、特訓」
 爺が俺の手を押し除け幽霊族のちんぽを咥えた。思いきり吸い上げる下品な音が洞穴にこだまする。幽霊族は腰をくねらせ暴れた。
「うああっ、あーっ!」
「ええい、暴れるな。堪え性のないやつめ」
 山犬は幽霊族を背後から拘束した。羽交い締めでちんぽをしゃぶられ、幽霊族の足が地面をかく。爺は年季の入った顔を歪ませて幽霊族のちんぽに食らいついていた。
 俺は顔を顰める。年寄りの口淫など見られたものではない。その醜い光景から目を逸らすために乳首に吸い付いた。
 唇で覆い舌先で突くと硬くしこってくる。芯を持った乳首を舌で押し潰し前歯で軽く噛む。すると幽霊族は「ふぎっ」と妙な声を発し体を跳ねさせた。
 段々と成長する乳首が面白くて何度も繰り返していると、もう片方の乳首にしゃぶりついていた仲間も俺にならって乳首に歯を立て出した。唇が捲れあがり、乳首に鋭い歯が突き立っているのが見える。
 確かこいつは女を一度も抱いたことのない童貞だと言っていたか。加減がわからないのか強く噛みすぎている気もするが、相手は頑強な幽霊族だから問題ないだろう。俺は乳吸いを再開する。
「あーっ、あーっ」
 性感帯を同時に責められ、幽霊族は快感に悶える。その体は大げさなほどに震えていた。
 俺は乳首から口を離し己の仕事ぶりを確認する。控えめだった乳首は無惨にも赤く腫れわずかに肥大していた。
 乳首も良いが早く交合したい。俺はちんぽに食らいつく爺の頭を叩いた。
「おい、早くいかせてやれよ。可哀想だろ」
 幽霊族のちんぽが爺の口から解放され、勢いよく飛び出す。よく見ると、引き締まった太腿のあいだから爺の枯れ木のような腕が見えた。口淫の傍ら尻穴をほじくっていたようだ。
「ううむ。なかなかいかんのは酒の飲み過ぎじゃろうか」
 爺は尻穴に埋まった二本の指を腹側に折り曲げる。ゆるく勃起したちんぽがピクピクと跳ねるが、絶頂する気配は感じられなかった。
「いいからさっさとやろうぜ。こないだも使ったからまだ柔らかいだろ。爺、指抜け」
 山犬はそう言うと、幽霊族を抱え直し自身の股ぐらの上に座らせた。
 立派なちんぽが幽霊族の尻を叩く。山犬のちんぽは犬とほとんど変わらない。先端が細く、根本には丸い瘤が見えた。赤く充血したそれが白い尻に粘液の跡を付ける。
 未練がましく尻穴をいじくっていた爺は、山犬に威嚇され渋々指を抜いた。
 山犬は幽霊族の背後から脚を抱え、ちんぽを尻穴に充てがった。見るからにキツそうな尻穴にちんぽが呑み込まれていく。幽霊族は朦朧とした様子で体をびくびくと跳ねさせ喘いだ。
「う、うぅーっ?」
「あー、堪らんな」
 幽霊族の尻が山犬の毛皮に埋もれ、ちんぽがほとんど挿入されたように見える。
「すごいな。すんなり入るもんだ」
 感心していると、童貞が大きな体を丸めて四つん這いになり、結合部を凝視しだした。目を血走らせ必死にちんぽを扱くその様子は、あまりにも滑稽であった。
「はあ……はあ……すごい……すごい……」
「ぷっ……お前、筆下ろしして貰うんだから我慢しろよ。ま、一番最後だけどな」
「そ、そうだ。初めてのために取っておかないと……」
 童貞は己のちんぽから手を離し、行儀よく正座し膝に拳を置いた。
 その様子に俺と爺が忍び笑いする傍ら、山犬は仰向けになり幽霊族を揺さぶっていた。背後から逞しい腕で華奢な首を拘束し、橋のようにしなった腰を下から激しく打ち据える。
 幽霊族は半ば白目を剥き、涎を垂らし喘いでいる。
「んあ!あ!あっ!」
 山犬の毛むくじゃらの腹が、小振りで引き締まった尻肉に打ち付けられる。その激しい動きに幽霊族のちんぽが涎を撒き散らしぶるぶると跳ね回った。
「あー、出る! 中に出すからな!」
 山犬は一層激しく腰を動かし「うおお!」と咆哮を上げ根元の瘤を嵌めた。尻穴を押し拡げ栓のように嵌まった瘤に、幽霊族のちんぽから透明な液体が噴射する。
「ふぎっ……!ああぁーっ!」
 幽霊族の腰が逃げようと浮くが、山犬の腕が体に巻き付き拘束する。山犬の張りのある大きな金玉がびくびくと収縮し、中に射精していることが分かった。
「はあ……はあ……やっぱこいつとの交尾は最高だな」
 山犬は口元から舌を垂らし恍惚としている。精液の量も犬らしく、大量の精液によって徐々に幽霊族の腹が膨れてきた。幽霊族は長い吐精の刺激に全身を痙攣させる。
 孕んだと錯覚するその光景を眺めていると、我慢できなかった爺が水を差す。
「山犬よ、早う代われ。マラが爆発しそうじゃあ」
「ちっ……しょうがねぇな」
 山犬は起き上がり、結合したままの幽霊族を床に押し付け、後背位の姿勢を取る。
 幽霊族の腰を掴みちんぽを抜こうとするが、きつい尻穴に根元の瘤が嵌まり抜けない。白い尻に黒い爪が食い込む。幽霊族は尻穴の圧迫感に苛まれ、全身を汗みずくにさせて悶える。
「ぅううー、ううぅー」
「もう一息――」
 山犬は幽霊族の尻を押さえつけ、地に足を踏ん張った。瘤がきつい肛門を押し拡げて徐々に姿を現し、ぶぽっと下品な音を発しようやく抜ける。
「おぉっ…!」
 同時に尻穴から精液が噴出した。俺たちは幽霊族の尻側に回り込みその様子を覗き込む。栓を失いわずかに口を開いたままの尻穴は白く泡立ちひくつき、どろどろと山犬の精液が溢れ出ている。
「あっ…あっ…」
「うわ、あんた出しすぎだろ。孕んじまったりしてな」
「狼男と幽霊族の子か。悪くないな。元気な子を産めよ!」
 尻を叩けば返事をするようにぶぴゅっと精液が飛び出す。
 その様子にふたりで笑っていたら背後から肩を叩かれた。振り向けば爺が苛ついた表情で立っていた。
「おい、笑ってないで早う代われ」
「はいはい」
 爺がちんぽを扱きながら幽霊族の背後に立った。突き出された尻を撫で回し、ぶつくさと文句を言う。
「まったく、おぬしらには情緒というものがない。目合いは独り善がりじゃあ成り立たない、互いに高め合う行為じゃて。儂の百戦錬磨の性技で此奴に性の悦びを叩き込んだる。しかと見届けるがよい」
 その発言に俺と山犬が白ける傍ら、童貞が「なるほど……」と呟く。
 爺は枯れ枝のような手で己のちんぽを掴み、先端を幽霊族の尻穴にあてがった。片方の手で幽霊族の薄い尻肉を揉みしだき、ゆっくりと腰を進めていく。幽霊族は尻穴に侵入するちんぽに抵抗するように身を捩った。
「おおっ!?これは…! 凄まじい吸い付きじゃ!い、いかん、出……」
 爺は小刻みに腰を前後し、快感を堪えるように額に青筋を立て体を硬直させた。しかし努力虚しく、呆気なく絶頂を迎えた。
 わずか三擦り半であった。爺は悔しげに唸り萎えたちんぽを抜いた。
「くそう…この尻穴は危険じゃ。おのれ、幽霊族。とんだ名器め」
「あんたが早漏なだけだろ」
「やれ、一発出してすっきりしたわ。後はおぬしらで楽しめ」
 情緒とやらはどこへ行ったのか。爺はそそくさとちんぽを拭うと、壁際に座り残った酒をあおる。
 まあ、早く終わってくれて助かった。ようやく俺の番だ。うつ伏せでカエルのように潰れた幽霊族に馬乗りになる。ちんぽを軽く扱き、精液で泥濘んだ尻穴に充てがった。
 カリ首を埋めると尻穴が締まり、ちゅっと吸い付き媚びてきた。戦慄く肉壁をゆっくりと割り開きちんぽを挿入する。体躯の割に中は浅いようで全部は入り切らなかった。しかし幽霊族の中はちんぽの形にぴったりと嵌り、びくびくと痙攣しちんぽをきつく喰む。
「おっ…、お……」
「あー……確かにこれは名器だ」
 幽霊族の両脇に手をつき、薄い尻目掛けて腰を打ちつける。狭い肉壁を一気に掘削してやると、幽霊族は舌を突き出し喘いだ。
「あーっ、うあぁー」
 ちんぽを小刻みに動かし腹側にあるしこりを捏ね回す。その刺激に逃げを打つ体を押さえつけ、より締まる肉壁を堪能する。
「んおっ…、おっ、おっ、おっ…」
「こりゃいい具合だ。あんたもイイだろ? なあ」
 激しく抽挿を繰り返していると、山犬が近づき幽霊族の顔面にちんぽを擦り付け始めた。
「おい、こいつ牙生えてなかったか?」
「当たらないようにするから大丈夫だって。ほれ、ちんぽ様ですよっと」
 山犬は充血したちんぽを白い頬に擦り付け、先端を半開きの唇に近づける。すると、唇をつつくちんぽに幽霊族が反射的に吸いついた。
「おおっ…!こいつ、自分から…!」
 幽霊族は乳を飲むように唇を窄め、ちんぽの先端をちゅうちゅうと吸った。山犬は予想外の刺激に呆気なく射精する。
 幽霊族は精液を飲み下そうとするが、そのほとんどは溢れ出た。大量の精液が床に液溜りを残す。山犬のちんぽがびくびくと暴れ、精液が幽霊族の顔や頭に掛かった。
「うおお…出る……!」
「おまえ、どんだけ出すんだよ」
 山犬の大量射精に引きながら、ちんぽを咥え込んだ尻を拡げ結合部を観察する。しっとりと濡れた幽霊族の尻穴は美味そうにちんぽを食んでいた。最初はあまりの狭さに全部は入れていなかったが、今ならいけるかも知れない。
 幽霊族の腰を押さえ床にしっかりと固定し、ちんぽを最奥に強く押し付ける。
 すると、熟れた肉壁の奥の隘路がゆるく口を開く。そこに目掛けて腰を落とすと、亀頭がぐぽっと音を立てて幽霊族の奥に嵌まり込んだ。同時に、幽霊族は全身を硬直させ空気の抜けるような声を発した。
「かひっ――」
「うおぉっ!」
 肉襞が戦慄きちんぽに吸い付く。俺はすんでのところで射精を耐え、幽霊族の肩口に噛みつき腰を揺すった。
「うあーっ!あー!あーっ!」
 幽霊族は舌をだらりと垂らし必死に喘ぐ。白髪を掴みこちらを向かせ、その舌を吸い上げる。精液と涙と涎でぐちゃぐちゃの淫らな顔は、俺のちんぽを更に硬くさせた。抽挿しながら唇を密着させ接吻する。
「んぶっ!うっ、んちゅっ……」
 幽霊族は様々な液体にまみれた顔で白目を剥き、くぐもった声を発する。その惨めさに興奮が最高潮に達した俺は、肉襞でちんぽをごしごしとしごく。
「うおお…! 出すぞ、しっかり受け止めろ!」
「あっ!あっ!あっ!」
 最奥に種付けするため背後からその体を抱き込み、腰を幽霊族の尻肉に隙間なく密着させる。奥を割り開いたちんぽに肉壁が戦慄き、その刺激で俺は射精した。
「うお、おお……!」
「うあぁ――っ!」
 腹の奥に精液を注ぐ。絶頂が収まらないのか、拘束した体がひっきりなしに痙攣していた。
 幽霊族の中は最高だった。抜くのが名残惜しく、ゆっくりと腰を揺らし、金玉の中身を全部出し切る。尿道に残った精液を肛門で扱きとり、ちんぽを抜いた。
「あー、出した出した」
 俺は立ち上がり、まだ硬さを残したちんぽを幽霊族の口元に差し出した。乱雑に幽霊族の顎を掴み口を開かせる。牙が当たらないよう指で歯列を抉じ開け、三人分の精液と腸液まみれの汚れたちんぽを掃除させる。
「ほら、舌を使って綺麗にしろ」
「は…、はへっ」
 改めて幽霊族の顔を観察する。冷静になった今では、このひどい顔でよく興奮できたものだと不思議に思った。
 柔らかく滑る口腔内を堪能していると、童貞が幽霊族の足を掴んで言った。
「み、みんな終わったろ。次はおれの番だよな?」
「あ? おお、そうだな。初体験、楽しめよ」
 俺は幽霊族をひっくり返し、仰向けに押さえつけた。童貞は待ちわびた瞬間が訪れたことに興奮を抑えきれず、幽霊族の下半身に慌ただしく飛び付いた。童貞の長大なちんぽは今にも破裂しそうなほどにバキバキに張り詰め、白く濁った先走りをとめどなく垂れ流していた。
「遠慮なくやっちまえ。ほれ、ずぶっと!」
 童貞は俺たちの声援に勢い付き、腰をヘコヘコと振り幽霊族を一気に貫いた。
「んぎっ!」
「良かったな、これで箔が付いたぞ!」
「はあっ、はあっ! すご、おっ!」
 童貞は天を仰ぎ動きを止めた。恐らく射精したのであろう。しかし少し硬直した後、腰振りを再開した。度重なる凌辱により中が敏感になっている幽霊族は、技巧もへったくれもない童貞の腰使いに連続絶頂する。
 種付けが目的の激しい抽挿に、大量の精液と幽霊族の腸液がかき混ぜられ、結合部がぐちゃぐちゃと酷い音を立てた。
「おっ!おっ!お!んおぉーっ!」
「種付けきもちいいっ! きもちいいよぉーっ!」
 ふたりが獣の咆哮を上げる。その下品な交合の迫力に俺は圧倒され、言葉を失った。
「また出る!出る出る出るっ!」
 幽霊族の尻から発せられる水音が増し、射精していることがわかる。しかし童貞の腰振りは止まらない。勢いを増し、結合部から泡立った白濁液が噴出するのが見えた。
「うぇっ、こっちまで飛び散ってきた!」
「練習台がいてよかったな。これが女相手だったらとうにフられてるぜ」
 童貞は額に青筋を立て、懸命に己のちんぽを幽霊族に打ち付けている。大きな体で幽霊族に覆い被さると、両手を恋人のように繋ぎ、唇に食らいつき口腔内を貪る。
 童貞はちんぽをめちゃくちゃに動かし肉壁の奥を殴打する。幽霊族は何度も極まり、引き締まった長い脚を天に向けている。
「んぶ、んちゅっ、んうーっ!」
「ぶふっ、ふーっ!はあ、可愛いっ! 好きっ!好きっ!ぶちゅっ…、あんたはっ? おれのこと好きっ? ちゅっ…、おっまた出るっ」
 上と下とで濃厚に結合した興奮で、童貞は数度目の射精をした。
「うおお…、腰が止まらないっ!」
「うぐぇっ、ぅうぇ!」
 童貞は幽霊族の膝裏を掴み、膝が地面に着くほどに体を丸めさせた。持ち上がった尻に真上から腰を押し付けちんぽを杭のように突き刺す。
 巨体に押し潰された幽霊族はウシガエルのようなうめき声を上げる。肉欲の虜となった童貞に、幽霊族はただただ蹂躙されるしかなかった。
「うぎゅっ、うぇ、んぎっ!」
「また出る、孕めっ! おれの子を産んで!」
 童貞は幽霊族の体を折り曲げ、上から腰を振りたくる。ちんぽが最奥に嵌り、幽霊族の腹からぐぽっ、ぐぽっ、とえげつない音が響く。
「ひぎっ!うっ、おぅぅー!」
「すごっ、おっ奥がおれのちんぽに吸い付いてるっ!おれのこと好きって言ってる! 大丈夫、全部中に出すからねっ!」
 そう言い切ると、とどめとばかりに一際強く腰を押し付けた。幽霊族の長い脚が跳ね宙を掻く。
 童貞が幽霊族の頭を掴む。絶頂の高みから降りられず、フナのように開いたり閉じたりする幽霊族の口に、再び食らいつき弛緩した舌を啜る。捕食のような接吻の下で、幽霊族の腹は大量の精液で膨れ上がっていた。
 数度目の射精で満足した童貞は、肉壁に精液を塗り込むように緩く腰を振る。ひだがちんぽに擦れる度に感じるのか時折痙攣し情けなく声を上げている。
 暴力的な交合で泥濘んだ尻穴から、ようやくちんぽが引き抜かれた。
 童貞は淫液まみれの臀たぶを両手で拡げ、血走った目で中に注がれた証を確認する。ぽっかりと開いた尻穴からおびただしい量の精液が溢れ出した。
「終わったか? いや、初っ端でこんなめちゃくちゃするやつは見たことも聞いたこともない。才能あるよ、お前。まあいいや、交代しろ」
 山犬は勃起したちんぽをぶら下げながら童貞の肩を掴んだ。
 すると童貞はその手を振り払い、横たわる幽霊族の前に立ちはだかった。勃起したまま威嚇するその気迫に俺と山犬は気圧される。ジリジリと距離を詰められ思わず一歩後ろに下がった。
「おいおい、一体何なんだよ?」
「き、き、きっ、汚い手でおれの嫁さんに触るなっ!」
「はぁっ?」
 こいつは何を言っている?
 そう言えば幽霊族を犯している最中、幼稚で滑稽な睦言を発していた。もしかして本気だったのだろうか。
 剣呑な雰囲気に、壁際に座って成り行きを眺めていた爺もやってきた。
「何ごとじゃ?」
「こいつ、幽霊族に本気で惚れたらしいぜ。笑えるよな」
 その言葉に爺は驚き、げらげらと笑い声を上げた。
 童貞は爺の嘲笑に一瞬呆けた後、顔を茹でたタコのように真っ赤にさせ、爺の首を荒々しく掴んだ。爺は泡を食って暴れるが、童貞の馬鹿力に負け引き倒される。
 爺に馬乗りになった童貞は、その鼻面を一発殴る。二発。三発。顔面を何度も殴打する。血が飛び散り、骨の砕ける音がする。
「はあっ、はあっ!アホたれっ! おれたちは愛し合ってるんだ!馬鹿にするな! おれたちのこと、笑うな!笑うな!笑うなーっ!」
「おい! やめろ!」
 山犬が童貞を羽交い締めにする。爺の顔を見ると、ひしゃげ、ぺしゃんこに潰れていた。体を激しく痙攣させた後、綺麗さっぱり消えてしまった。爺が死んだ。
「うあぁーッ」
「うわ……、おい待てこら!」
 童貞が拘束を抜け出し幽霊族のもとへ駆け寄った。ぐったりと脱力した体を担ぎ上げ、洞穴の出口に向かって走り出す。俺と山犬は童貞を追った。
 洞穴を出たところで童貞の首根っこを捕らえた。洞穴の外は断崖で、俺たちの体重によって端がガラガラと音を立てて崩れる。
「一体どういうつもりだ、爺が死んじまったぞ!」
「うるさい! おれたちは夫婦になって、あんたたちの居ないとこで幸せに暮らすんだ!」
「あんだけメチャクチャしといて、よくそんなこと言えるよな」
 真っ赤な顔がさらに紅潮した。今にも湯気が出そうだ。童貞は幽霊族を崖から遠ざけるように地面に転がし、山犬の豊かな毛皮を掴んだ。そして持ち上げ崖下に放り投げる。
 呆気にとられていると、少ししてから崖下からごぱっという破裂音が聞こえた。崖に駆け寄り覗きこむ。遠い岩場に四肢を投げ出している山犬が小さく見えた。ぴくりとも動かず、寸刻後そのまま消えてしまった。
 背後から隠しきれない殺気を感じる。
「あんたも死ねっ!」
 突き落とされる寸前で躱し、取っ組み合いになる。間近に見る童貞の目は血走っていて正気とはとても思えなかった。
 力を振り絞り童貞の体を崖っぷちに追いやる。俺たちの体重に耐えきれず崖が崩れる。目を見開き焦る童貞に、俺は勝利を確信した。このまま手を離し突き飛ばせばこいつは転落して死ぬ。しかし予想に反し、不安定な足場に耐えきれなかった童貞は足を滑らせ、慌てて俺に抱きついてきた。
 俺たちは崖の淵から宙に放り出され、そして――

 幽霊族が目覚めたのは、初夏の風が吹く崖の上であった。煌々と輝く月に照らされあくびをひとつ漏らす。
「ふぁ……、よう寝た。して、なぜここに?」
 幽霊族は薄い腹をぼりぼりと掻きながら首を傾げる。そこは洞穴の外の崖っぷちであった。しかも全裸ではないか。
 一体何が起きたのだろう? 悪夢でも見て魘され、ここにゴロゴロと転がってきた。そう推理する。着物を着ていない理由はよくわからない。
 眼下には広大な景色が広がっていた。覗きこむと、下から吹き抜ける風が白髪をなびかせる。
 幽霊族は崖から離れ洞穴へと戻った。
「そうじゃ。昨日はあやつらが来ておったのじゃ」
 地面には徳利が無造作に転がっていた。
 曖昧にだが思い出してきた。あやつらは気の良い連中で、貴重な酒を気前よく勧めてきた。話をして、肩を組んで、歌って、それから……、それからの事はよく思い出せなかった。しかし、とにかく楽しかったことだけは覚えている。
 幽霊族は徳利をせっせと拾い、端の方に並べた。そしていつも通りの静かな洞穴を眺めた。
 あやつらにも都合というものがある。酔い潰れて眠ってしまった自分に痺れを切らして帰ってしまったのだろう。仕方のないことだ。
 そう自分に言い聞かせるが、昨日の賑やかな酒宴を思い出すとどうにも物悲しい気分になり、何もない空間に向って話しかける。
「行ってしまったのか? おーい」
 わんわんと反響するその声は洞穴の壁に吸い込まれ、やがて消えた。あまりの虚しさに幽霊族はふてくされ、その場で寝転び投げやりに言う。
「失礼なやつらじゃ。挨拶もなしに帰ってしまうとは」
 寂しいやつら!
 幽霊族はそうぼやき、それでも友人たちの再訪を心待ちにするのであった。

戻る