敏夫が夜の山道を歩いていると、崖下の草むらに大きな白い物体が転がっていた。
うっすらと発光しているように見えたそれは白髪の男のようだ。次縹色の着物の肩口を掴み、うつ伏せになっているのをひっくり返す。
男の顔を見た敏夫の眉が跳ねる。
「じいさんかと思ったら若モンじゃねえか。頭が白いのは、外人の血でも入ってんのかね」
頬を叩いても瞼は開かなかった。気絶している。聳え立つ崖を見上げ、あそこから落ちて頭でも打ったのだろうかと考える。
思わぬ収穫だ。
敏夫は男を引きずり上機嫌で野営地へ向かった。
敏夫は殺人に快感を覚える異常者だ。おまけに人肉を食う人の道を外れた者でもある。
故郷の集落では両親や近隣住民に暴力を振るい、窃盗をし、強姦や傷害事件を起こすなどの悪行三昧であった。村から追い出されてからは追い剥ぎで生計を立てている。腕っぷしが強く、人殺しに悦びを見出す敏夫には追い剥ぎは天職であった。
初めは金目の物を盗ったら獲物を殺し狩り場を転々と移動していたが、それだとじき足がついてしまう。そこで、殺した獲物を食ってしまい証拠隠滅することを思いついた。
最初は人肉を食うのに抵抗があったが、慣れてしまえば意外といけた。 今となっては人の死体の処理はお手の物で、むしろ人肉を得ることも追い剥ぎをする立派な動機となっている。
「どっこいしょ…と、やれやれ」
気絶した大男はかなりの重量があり、敏夫はやっとの思いで野営地にたどり着いた。
都合の良いことに一向に目覚めない男を焚き火の側に転がした。慣れた手つきで男が身に纏う砂埃まみれの布を剥ぎ取る。ちなみに金目の物は一切持っておらず、短髪の美女とこの男が写っている写真しかなかった。後は何故かどんぐりとか何かの小骨とか…大の男には似つかわしくない物ばかりを所持していた。もしかしたら白痴かもしれない。
改めて男を観察する。
顔はイマイチだが、均衡の取れた恵まれた肉体に透き通った青白い皮膚、日本人には珍しい銀色の毛髪、体毛などは生えておらず、さながら作り物である。ハリのある胸筋には男にしては色の薄い乳首が付いている。押し込むように突くと、男は鬱陶しそうに眉間に皺をよせ身を捩った。
「随分毛並みがいいなぁ。写真の金持ちそうな女にでも飼われていたんだろうかね…」
敏夫は男を検分しながら自身の勃起したちんぽをしごいていた。
このような手合いの男であれば殺す前に犯してやってもいいかも知れない。男を掘った経験はないが、女の尻の穴は使ったことがある。勝手は同じだろう。
敏夫は荷物の中から調理油を取り出した。
男をうつ伏せにひっくり返し、脚を広げ引き締まった尻を揉み油を塗りたくる。気を失っているおかげか、敏夫の太い指でもすんなり入った。
しかし、この男は妙だ。皮膚も冷たかったが、内臓まで温度が低いとは。もうすぐ死ぬからかと思ったが、運んでいる最中イビキをかいていた位だから元気ではあるのだろう。元々体温が低い特殊な体質なのかもしれない。まあ、体温が低かろうが高かろうがやることは同じだ。敏夫は目の前の肛門に集中することにした。
「冥土の土産って奴だ。最後くらい気持ちよくしてやるよ」そう言って指を緩く動かし始めた。
突如として侵入してきた指を追い出そうと奮闘する腸壁であったが、抽送を繰り返すうちにねっとりと指に絡み付いてくるようになった。きつく締め付ける肛門と、柔らかく包み込む肉壁の感触を堪能するように入念にナカを掻き回す。徐々に指を増やしつつ拡げていくと、女のアソコに似た感触になっていく。ここにちんぽを突っ込んだらさぞ心地よいに違いない。敏夫のちんぽは興奮で今にも爆発しそうであった。
指を抜くと、柔らかくなった肛門がわずかに拡がりヒクヒクと痙攣していた。その光景を目の当たりにした敏夫は、尻たぶを掴み両側に拡げ顔を埋める。鼻息荒く肛門に舌を挿入しナカを舐め回した。男の肛門は、肉壁を犯す分厚く長い舌を柔らかく食む。
舌を動かすたび腰がビクビクと跳ねるのに気付いた敏夫は調子付き、一層激しくむしゃぶりついた。
顔面を涎まみれにし夢中で尻に食らいついていた敏夫は、男の肛門をひとしきり味わうと尻から顔を離した。そして、性急に油と唾液まみれの男の腰に跨る。片手で男の尻たぶを乱暴に広げ、聳り立つ巨根をあてがう。口淫の甲斐あって女性器のようにぬかるんだ腸壁を一気に貫いた。
「そらっ、アッ逝く!」
「ふぎっ」
勢いよく押しつぶされた男が空気の漏れたような声を上げたが、挿入と同時に射精してしまった敏夫には聞こえていなかった。
「うおお…まだでる、でる…おい、逃げんじゃねえ」と、反射的に逃げようと身をよじる男の頭を上から押さえつけ、腸壁に精液を塗りたくるように尻に腰を押しつけた。
胎の奥まで無慈悲に拡げられた男の肉壁は戦慄き、尿道に残った精液まで絞り尽くさんとちんぽに吸い付く。
「よし、よし…そうだ。オメコで俺の精液全部搾り取れ」そう言って、男の尻を平手打ちにした。
叩かれる度に肉壁がビクビクと痙攣する。その刺激に敏夫のちんぽはすぐに元の硬さを取り戻し、自身の精液で滑る胎内に抽送を始めた。
「あ゛…ぁ、あ゛…」
のし掛かられ、敏夫と地面に挟まれた男は苦しげな喘ぎ声を漏らす。
「お゛、お゛、お゛…ナカが絡み付いてくるぞ。そんなに俺のちんぽが気に入ったのか」
腸液と精液が混ざって泡立つ肉壁にガツガツとちんぽを擦り付ける。
男のケツとはこんなにも良いものだったのか。敏夫の脳裏に今まで殺して食ってきた男たちの顔が浮かんできた。くそ、あいつらも犯してから殺ればよかったな。
不毛なたらればを考えながらがむしゃらに腰を振っていると、亀頭がしこりのようなものを掠めた。
男は体を硬直させ、「んごッ」と、無様な声を発した。驚いた敏夫だが、以前通っていた賭場で男色趣味の男が言っていたことを思い出す。その時は適当に聞き流していたが、ここがオトコのイイところってヤツか。
「随分気持ちよさそうじゃねえか。なに?もっと突いて下さいだって?しょうがねえなぁ」そう言うと亀頭でしこりをどつき回す。
「ほれっ!ほれっ!ギャハハ!おらっ、俺様のちんぽに感謝しやがれ!」
「あ、あ、あ、」弱いところを抉られる度に足がくの字に折れ曲がる。皮膚は依然として冷たいままだったが、全身が汗みずくになっていた。
大袈裟に体を跳ねさせる男を面白がって亀頭を擦り続けたせいか、すぐに射精感が込み上げて来る。敏夫はもうひとつ賭場で聞いた話を思い出し、口角を上げこう言った。
「知ってるか?男にも子宮があるらしいぜ。普通のちんぽじゃ届かないらしいが俺様の馬並みちんぽならいけるんじゃねえか」ちんぽを抜くと、男を仰向けにし膝裏を抱えてポッカリ口を開く肛門に真上からちんぽを突き刺す。しこりを蹂躙され緩んだ肉壁はちんぽに媚びるように収縮した。
亀頭で腸壁の最奥をぐちゃぐちゃに打ち据えると、男は苦しげに頭を振って悶えた。眠りながら額に脂汗を浮かべる表情は悪夢に魘されている様にも見える。
「うあ゛…あ゛…あ゛…」
「ここかぁ?いや違うな。ちっ、あいつの話をもっと聞いときゃよかったぜ」目当ての場所が見つからず、言い知れぬ歯痒さを覚えた敏夫は苛立ち混じりに激しくちんぽを抽送する。あいつが言っていたことはただの出鱈目だったのか?だが、最高に気持ちいいと言っていたな…
休憩がてらに男の尻に全体重をかけてのしかかると、亀頭がブルンと弁のようなものを弾く感覚と、何かに嵌まり込むような酷い音が聞こえた。
「く…なんだこれはっ!?すげえ吸いつきだ!ちんぽが持ってかれちまうっ!」あまりの快感に膝がガクガクと震えた。金玉がせりあがり、意思とは裏腹に男の胎の奥で二度目の射精をする。
「あ゛ー…出る…これがあいつが言ってたヤツか。確かにこりゃあ堪んねぇわ」
「……ぁ゛ッ、ぁ゛〜〜〜」
敏夫の下で押しつぶされている男は全身を真っ赤に染めびくびくと痙攣し、舌を突き出し掠れた声を発している。顔面は汗と涙と鼻水と涎とで酷い有様で、いつの間に射精したのか、ちんぽが精液でぐちゃぐちゃになっていた。
「おいおい、逝っちまったのかよ。陵辱されてよがるなんてとんだ変態だな」
そう言うと敏夫は色々な液体に塗れた男の顔面をベロベロと舐めた。
そして突き出された舌にむしゃぶりついた。唇で舌をちゅうちゅう吸い上げて扱く。大きく口を開き男の唇を全部塞いで、口腔をグチャグチャに舐め回す。喘ぐ度ちらりと覗いて気になってしょうがなかった八重歯は特に念入りに舌で扱いた。
男の顔が蕩けている様に見える。男の癖にハメられながら口を吸われるのが好きなんて、やはり変態だ。敏夫は自らの唾液を男の口内に流し込んだ。
「んく、ふっ…ん…」と、鼻から抜けるような声を出し、男が喉仏を上下させた。
自身の唾液が嚥下される様子を目の当たりにした敏夫は、また射精した。口を密着させたまま腰を揺すり、暴いたばかりの胎の奥にずぽずぽとカリ首を嵌めて尿道に残っている精液をこそげ落とす。
「ん゛ー…!ん゛ん゛ーっ!」口を塞がれた男はくぐもった声を発した。未知の責め苦に絶え間なく極まりびくびくと痙攣している。
金玉が空になった敏夫は、快感と苦痛に戦慄く口を解放した。
敏夫は男の様子を伺う。少し目を開けていてドキッとするが、ほとんど白目で意識はない。こいつ、あんだけ無茶苦茶してもまだ起きないのか。と、敏夫はいっそ畏怖を感じた。
でも、流石にそろそろ起きちまうかもしれない。とっとと絞めちまうか。
息も絶え絶えで喘鳴を上げる男からちんぽを抜くと、再びうつ伏せにさせて、腰だけ高く上げた体勢にする。この体勢だと精液が掻き出しやすいだろう。敏夫は絶頂の余韻で痙攣する男の肛門から、精液がぴゅっと飛び出すのをしげしげと眺める。溢れ出る自身の大量の精液にひとしきり関心すると、今度は中指と薬指を突っ込み泥濘んだ胎内から精液を掻き出し始めた。
ナカで指を折り曲げると下品な音を立て精液が大量に地面に落ちる。ついでにしこりをカリカリと引っ掻くと「あー…あー…」と呆けた声を発してまた絶頂した。
その様子に敏夫のちんぽが再び元気に聳り立つ。
「また勃ってきちまった。しょうがねえ、もう少し使わせてもらうか」
敏夫はため息を吐き男の背後に立つと、くぱくぱと口を開きハメ乞いする肛門にちんぽをあてがった。
「んごッ」
敏夫が解体の準備を終えると、逆さに吊り下げられた男が陸に打ち上げられた魚のように体を跳ねさせた。男はむずかるように身を捩り、うめき声を発する。
「うーんむ…なぜわしは逆さになっておるのら?」
敏夫は心を躍らせた。実を言うと先程はまともな抵抗が無く、正直つまらなかったのだ。この男の断末魔の足掻きを想像すると、六度も射精したばかりだと言うのにちんぽが腹に付くくらい勃起した。
敏夫は興奮で身震いしながら、裸で吊るされている状況に困惑する男の頸動脈にナイフを這わせる。
だがその瞬間、敏夫の体は野営地の近くの草むらに投げ出されていた。
何者かがぶつかり、撥ね飛ばされたのだ。
あちこちを強かに打ちつけ激しく咳き込む敏夫の頭をそれは掴むと、地面に数度叩きつける。それから、宙に投げる。
落下する敏夫が最後に目にしたその正体は、大きな口を持つ化け物であった。
化け物は上に向かって大口を開き、敏夫を待ち構える。そして器用にキャッチした。敏夫は万力のような歯に腹を押しつぶされ、逃げ場を失った内臓が肛門から飛び出す。
辺りに悍ましい咀嚼音が響いた。
「しまったのう、また一人犠牲者が増えてしもうたわ…」
先刻の体当たりで拘束の外れた男はそう嘆き、敏夫の亡骸に食らいつき揺れる巨体に光る指先を向けた。
「わしを見ろ!」そう叫ぶと、化け物は勢いよく振り返る。
その瞬間、男の指先から放たれた青白い光線が巨大な頭部を貫いた。化け物は敏夫の一部を口からぶら下げたまま、男に向かって一歩、二歩、と前進し、そして地響きを起こし倒れた。
化け物を一撃で倒したその力は、幽霊族の超常的な力であった。
幽霊族は慎重に化け物に近寄ると、分厚い毛皮をつま先でつつき死んでいることを確認する。
安全と判断した幽霊族は無造作に放られている次縹色の着物を拾うと、巨大な化け物の屍の側にどっかりと腰を下ろす。
「ううむ。このわしが不覚を取るとは、油断したわい」
妻を探す旅の道中に世話になった集落で、この化け物に夫を食われた女人から討伐を依頼された。元々穏やかな気性だったが人の肉を食らってから人間を襲うようになったらしい。初めは対話を試みたが言葉が通じず襲いかかって来たため、やむを得ず退治することとなったのだ。
幽霊族が行き倒れていたのは、この化け物との交戦中に油断し、体当たりをまともに受け崖下に落下してしまったからであった。普段であればなんてことはない高さなのに、打ちどころが悪かったようだ。化け物と遭遇したのは夜半頃であったが、辺りを見渡すとすでに空が白んでいて長い間意識を失っていたのが分かる。
身体中が痛むしなんだか疲れが溜まっているような気がする。特にじくじくと痛む尻に手を触れると、何かが尻を滑った。手に付着したそれを観察する。よく見ると下半身の所々に同じ液体が付着していた。より違和感が強くなった肛門付近に触れると、次から次へと粘ついた液が漏れ出てくるではないか。
「なんじゃ?この白濁した液体は。さてはおぬし、妙な病原体でも持っておったか」
幽霊族は胡乱げな目つきで化け物を一瞥した。